店主、苦悩と創作の日々の記録。

若者には新鮮な発見や出会いが必要だ


誰しも、忘れられない店があるはず


大人たち誰しも初めて飲んだビール、初めての居酒屋、初めてデートで行き緊張したレストランなど忘れられない飲食経験があるでしょう。

一人一人の人生にストーリーがある。そして飲食店にはドラマがある。

こんな僕にも若かりし頃の、無理して背伸びして、カッコつけて結果ダサいという苦い経験とともに、苦いビールの味があった。

なんておしゃれなんだ!と感激したBAR。シブいおっさん客に憧れた居酒屋。けっして高級魚じゃないイワシの刺身の味に感動した日。同性でもカッコいいと憧れたバーの店員さん。出会うもの全てが新鮮で輝いて見えたあの頃、いつしか“自分もそっち側に行きたい!カウンターの中で働く側になりたい!” なんて衝動に駆られていつしか飲食店で働く身になったりもして。

思い出してみれば、いくつもの感動・憧れ・出会い・新発見が満ち満ちていたのが、僕にとっての飲食店だった。

大人になって求めるようになったのは,,, 「シンプル」


多くの時間、多くのつまみや酒に浸ってきた僕は、いつしかシンプルなものを求めるようになって、インスタ映えなんかよりも質実剛健な料理が好きになった。

素朴に見えても普通じゃない、こだわりに満ちたポテサラや揚げたてのはんぺんフライ、よく沁みたおでん、湯気のたつ焼売、シンプルな玉子チャーハンのように。

それは無駄を削ぎ落とした美徳、というのかただ単に歳をとっていろんな派手なことがどうでも良くなっているのか、紙一重のことなので注意しないといけない。

なんでもいいと粗悪なものを求めるのではなく、質素で素朴に見えても

あたたかみのある料理こそ、美味しそうだなぁと惹かれる。

結果人は何かを思い出すように料理を見て、過去を思い出す郷愁を味わっているのか。

子供の頃に見た父の晩酌の風景や、母の台所での姿を。

安かろう悪かろうは淋しい


黒ハンペンも、漬物も、醤油も味噌もかつおぶしも、結局まじめに丁寧に作られたものが良い。

正真正銘のものはなんでも高価、しょうがない。ちゃんとした理由があるのだから。

それが値段だけを見て、高い!と世間一般で叩かれてしまっては、作り手も立つ瀬がないから応援の意味を込めて美味しく食べ、購買することで支持率を上げていきたい。

「人は歳を重ねて老いるのではない。夢を抱かなくなった時、老いるのだ。」

と聞く。

素朴に見えても、その背景にある調理の努力や素材の素晴らしさを

気づける大人になりたいものだ。

ハムエッグやひじき煮で酒を飲む。

理想であり、夢の一つだ。

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