店主、苦悩と創作の日々の記録。

ここから始まった、無化調中華。チャーハンへの疑念。



チャーハンと白い粉問題

味◯素については賛否両論あり、化学調味料の悪の親玉という意見もあれば、昆布の根からできた自然のものだから、一切体に悪くないという肯定派もいます。
「そもそも化学調味料と味◯素は違う!同じにするな!」というような論議は、ここではしないです。あしからず。

そのどちらが正しいのかという論議は置いておきますが、私は使わない派です。

中華の中で最もそれに依存している料理といえば一番にチャーハンだと思われます。
チャーハンはできる事なら液体を加えずに、水分は少なく加熱を続けたい、味付けを施したいという料理工程に理由があると思います。
水分のない粉末調味料で味付けを完成させたい、旨みを補填したい。ならば
その粉末に頼らずとも、旨みのある素材を具にすれば十分美味しい五目チャーハンができるのではないか?との思いから、具材を選定しました。

KINKAN 焼売に次ぐ人気メニュー、 たのしいチャーハン



使用している具材は、豚挽肉、干椎茸、白葱、青葱、生姜、干し海老。それぞれが旨味成分を持つ固体。
加える調味料は天日海塩と白胡椒だけです。

そして食感を生む「山くらげ」という中国の面白い食材を使用しています。

山くらげはアスパラガスレタスというレタスの一種の茎を干したもので、細長く紐状で水で戻した後は、〈かんぴょう〉のような質感です。一般に炒め物などにすることが多いですが、細かく刻んでチャーハンに含ませることでコリコリとした食感が楽しい、こうしてたのしいチャーハンという当店オリジナルメニューが完成しました。

子供が驚くほどよく食べる!


子供の舌というのは幼稚なものではなくて大人よりもずっと鋭敏だと思います。
大人になれば舌が肥えるというのはむしろ嘘で、味の記憶は深まるかもしれませんが、感じる舌の味蕾細胞の鋭敏さで言えば
子供の方がずっと豊かで色々な情報を味わい分けていると考えられます。

親が子供に「お菓子じゃなくて、ちゃんとした食事をたくさん食べて欲しい」と願う気持ちもありますが、大人以上に子供はその料理の何か美味しくない差を感じ取れるのかもしれません。
米のぬめりや、ぬか臭さ、油の質感や卵の臭み、具材ひとつひとつの舌触りにまできっと好きとか嫌いとか嫌な雑念も感じ取れる、それが子供の舌だと思っています。

当店のたのしいチャーハンをお子様が食べた時に隣にいる親御さんがびっくりしていることがよくあります。
家ではこんなに米粒を食べてはくれない、こんなに食欲旺盛な息子の姿を久しぶりに見た!というご意見を頂戴することも多々あり
嬉しい反面、おうちでの食事が心配になるような複雑な気持ちです。
そりゃファーストフードやコンビニ弁当、スナック菓子にジュースやグミが大好きなお子さんも多いですもんね。

ただこうした美味しい食体験がその子にとっては苦手意識を薄め「食事ってこんなに楽しいんだ!」という実体験になれば
「今度は美味しく食べれるかもしれない」という前向きな気持ちで苦手な食材に向かい合い克服していけるのかもしれません。
そういった食体験の提供は飲食店にとって大切な務めだと思っています。

加工食品を食べると具合が悪くなる人


中には、妊娠して体質が変わってしまったという妊婦さんや、産後、食の好みや体の反応が変わったという経産婦さんもいらっしゃいます。
どんな症状かといえば、食べると顔が暑くなる、過剰に汗をかく、口内がむず痒くなる、動悸がしてくる、、、など。

私個人は味でいえば、そりゃ明太子・漬物類が大好きですが、食後なぜがぐったりしてしまい、力が抜けてしまうので
ものは選ぶようにしています。
医学的根拠や証明できるエビデンスというものはないのかもしれませんが、こうして実体験としてお話してくださる方がいらっしゃるということで。

化学調味料がいかに体に害を及ぼすかということは、根拠はなくてもどうも体に合わないな、頭がぼーっとしてしまうなという体感から、体の反応に耳を傾けるという意味で大切なことだと思います。

違和感を感じたものはすすんで摂らない。摂らないことで好調を維持する。
それを自分の体との対話を深めていくことも大切かと思います。

迷ったとき思い出すのは、「水にも味がある」


コンビニの濃厚なカルボナーラや、パルメザンチーズたっぷりのナポリタンを想像しながらチャーハンを作る人はいないかとはお思いますが、調理の最中に美味しくしたい!という願いは誰しも。

その時、頭の中では足し算を巧妙に考え深めてゆくと思いますが、どんどん分からなくなってゆく、着地点がわからなくなってゆく。
なんてこともありますよね。

そんなとき、原点に立ち返る魔法の言葉があります。

「水にも味がある」

飛騨高山の自然豊かな軟水、、、 
富士山の雪解け水が時を経て流れ出る三島柿田川の豊かな水脈、、、
アルプスの山脈を経て岩石に浸透し濾過に濾過を重ねて流れ出た硬水、、、
子供の頃野球をした公園の、炎天下でガブガブ飲んだ水道水、、、

想像するだけでも、それぞれに味がありませんか??

これはどこか瞑想に似た感覚ですが〈必ずしも、何かが濃厚で濃密で、充実していなくとも良い〉という事。

素朴、シンプル、そっけない、薄い、、、
案外そういう言葉を恐れずに、心を留めると着地点が見えてくるのではありませんか?

KINKANでの調理においてはそんな事を思いながら、常、厨房に立っております。
もちろん、あーだこーだと、考え、あぐね、試行錯誤に足し引きを繰り返して。
それが一番たのしい事ですね。
料理の中で計算、設計、施行、改善!という話です。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP